忍者ブログ

それでも君を*****。――別館

(日常とか解説とか)

2024.11│ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

短編:待つ

短編。
メールを待つ人と気づいてくれるのを待つ人。
幸せと認識するまで、それは幸せではないのでしょう。

拍手

PR

こちらを更新していなかったので

ブエナスノーチェス
突然ですが38度くらいの熱を出しました
滅多に熱を出さないので衝撃でした
今は微熱程度です
そんなわけで更新しています
結構くらくらしました
心の底から健康を欲しました
健康な時は意識しないものですが
なくなって初めて分かる有り難みというやつですね
これからは体調管理をしっかりしようと思います

インフルエンザでなかった安堵を抱きつつ、アディオス。

拍手

補:嘘吐きと偽善者の逃避行 1

思い出と逃げ続ける後ろ向きな思考若しくは願望を良心若しくは向上心若しくは現実が殺すが存在を忘れられたために良心は消え結局思い出と逃避行を続けるはなし。

拍手

補:大会物語②


◇赤に教えた理由

ちなみに下書きの段階では、「7月14日 ブドウとじゃがいもは、同じ畑に生らない」の続きに、「私」と浅の会話が書かれていました。

『ねえ、赤。勝ちたかったのは、私だけだったのかな、頑張りたかったのは、私だけだったのかな、悔しいのは、私だけなのかな』
『それはないとおもうよ。運動部でさ、きっと気丈に振舞うしかないんだ』
地異は優しく言った。
(略)
『いつか負けると思っていた。いつか負けると思っていたよ。それが今とは思わなかったけれど』
『うん、』
『本当は、負けて欲しかったんだ。練習の時、負けて欲しかったんだ。そうすれば、エースも皆も、もっとやってくれる、って思ってた。でも、負けなかったし、たまに負けても、皆、本気じゃなかったよね、みたいな感じだったんだ』
赤は、ああ、と心当たりがあるように頷いた。
『でもしかたが無いんだよ。エースや永遠は、大会に全てをかけることは出来ないんだから。それについて、なにも言えない』


 
あまり深い意味は無いのですが、このやりとりがあると、「私」が赤に入れ込んだ理由に、赤の信念に打たれた以外の意味が強く加わり、結局「私」は帰属意識をもっていたことになってしまう、ので削った、ような気がします。
しかし「裏切り者はエースの足を洗う」の最後で『エースや世紀や永遠が/危機感を持てば良いと思っている』のですから、やっぱりそういう気持ちはあったのでしょう。
要は、「私」は赤たち敵に強くなって、練習の段階で味方を負かして欲しいとも考えていたのです。
しかし皮肉にも味方は強く、負けることはありませんでした。


◇「彼女」のまわりを取り巻く人

「彼女」は大会とは関係が無い、と言いつつも、シロツメクサの話からも分かるように、「彼女」は星、船頭、心臓と親交があります。
だから「私」は味方である星と船頭との関係が、「彼女」に関することで崩れるのを危惧します。しかし、『自分の直感と、彼女の他人行儀。どちらを信じるべきなのか/知っている』ので、『見ていた友人達も、星も、気にしないようにした』と、その問題を被害妄想だということにして、他人行儀な「彼女」を信じることにするのです。(皮肉にもそれは被害妄想ではなかったのですが)

ちなみに「私」がむやみに「彼女」を信じるように努力して、知らない振りをすることに拘っているのは、「戦争物語」(未完)であった出来事によるのですが、それもまたおいおい書いていくかと思われます。

拍手

補:大会物語①


最後の球技大会のはなし。
大会物語と銘打ちながらも試合描写や練習風景は殆どありません。「私」とエース、永遠、世紀、三人の関係描写と、それぞれに関する心理描写が八割を占めています。


◇「彼女」と味方の関係性

あくまで味方は「彼女」とは別の場所での関係で、だから「彼女」に関する辛いことや悲しいことは考えなくてすむ、と思いきや、味方(「私」と同じチーム)と敵(他のチーム)の間がぎすぎすしだしてしまう。
「彼女」に関する辛さを忘れさせる場所になるはずの味方が、味方に関する辛さを忘れさせる場所としての「彼女」を必要とさせてしまい、結局味方に入れ込んでいる(と信じている)「私」は、味方たちの問題を知らない振りはできず、「彼女」に関する問題をなかったことにして、「彼女」をまた支えにしてしまうのです。

「妄信物語」で、『私は彼女のことを愛してなどいなかった』『他人行儀が好きなくせに、近付いてしまった』と言いながらも、何かと味方や敵の話を「彼女」にしているのはきっとそのためです。そんなわけで、厳密に言うと「妄信物語」の後半は「大会物語」に入るのですが、「妄信物語」のラストに繋げるために敢えて「大会物語」に入れていません。

読むと分かるように、「彼女」は大会に全く関わっていません。味方(「私」と同じチーム)でもありません。だからこその不干渉であり、不干渉ゆえに「戦争物語」と全く同じ現象が起こったのです。


◇「ありがとう」の理由

夏物語に入りながら何故か更新された「7月17日 過去の清算」は、「私」の大会に対する印象のまとめ的な役割を果たしています。その中での問い『何故口をついたのが感謝の言葉だったのか』の答えが、『誰も責めないのなら/私だけでも/私を責め』させるのですが、答えは明示されていません。

「妄信物語」で、東と話した翌日、世紀が「私」に笑顔で手を振ったのを見た「私」は、東のことが知られたのだろうか、何故他人行儀じゃないのか、といたずらをした後の子供みたいな様子です。世紀はおそらく今までと態度を変えていません。が、「私」はうしろめたいことがあるので疑心暗鬼なのです。
文中で明言されていない東との話は、味方に関するものだったのではないでしょうか。味方に対する悪意は無いものの、自分の知らないところで話をされるのは嫌かもしれない、ということですね。(戦争物語参照)

「ありがとう」がエースの「頑張って」に対する「ありがとう」という意味であること、赤や東の話、何故味方に関する話を、味方でなく東としたのか。それらを合わせれば、『何故口をついたのが感謝の言葉だったのか』の答えは「帰属意識の低さ故」でしょう。

味方に入れ込んではいたものの、自分がシュートを決められるとは思っていない、エースや永遠がいるから、自分は勝敗に関わらない――そう思っていた(実際練習の時は事実だった)けれど、実際本番になって強い相手に当たってみると、全員が頑張らなくてはいけない。でも「私」はエースの思いを受け損ねて、何も出来なかった。常に自分が世紀に訴えていたことを、自分が出来なかった。でも誰も責めない。そもそも、誰も気づかない――だから「私」は髪を切ったのです。

拍手

ブログ内検索
カウンター
最新コメント
[08/31 rowan]
[01/10 rowan]
アクセス解析