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それでも君を*****。――別館

(日常とか解説とか)

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短編:伝える


好き。好きだよ。愛してる。
不特定多数に発せられる言葉。よくそんな恥ずかしいことが言えるな、と初めのころは思っていたが、どうやら女子という生き物の間でそんなことは日常茶飯事らしい。ほら今だって、好きだよ、と言われたほうもにっこり笑ってありがとう大好き、なんて言っている。女子という奴らの間で使われる「好き」は、もしかしたらおれの使ってきた「好き」とは全く別の意味を持っているのかもしれない。それを話したら、「そいつは間違ってるよ、意味は同じさ。あいつらの『好き』は所謂コミュニケーションツールってやつなだけで」。――とにかくおれは、女子ってやつがよくわからない。好きだなんて、ほいほい使って良い言葉じゃないだろ。

今日もまた言っている。好きだよ。好き。
やれやれ、といった心持ちで視線だけそちらへやると、どうやら様子がおかしい。好きと言った方は、シャープペンを止めてノートの上をじっと見ている。ノートの上の字も、ノートも、机も通り越して、椅子に座った自分の膝を見ているんじゃないかと思った。好きと言われたほうは、ノートの上にさらさらと何かを書いている。そして、ノートから目を離さないまま言った。ありがとう、私も好きよ。はじめに好きと言った方は、それを聞いて安心したような、がっかりしたような、そんな複雑な表情で視点をノートの上に持ってきた。

「好きだ」なんて、本当に好きな人以外には言うものじゃないな、と思った。

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短編:なぶる


短編:なぶる
久しぶりの更新。
もしかすると、続くかもしれません。


あんたって、本当にばかよね。そう言うと彼女はわざとらしく眉を下げ、いかにも傷付いた、という顔を作った。ひどいなあ。
ごめんね、うそよ、と取り消すと、下がった眉は元の位置に戻り、へらりと笑う――そんな挨拶。わたしは彼女を突き放し、彼女は傷付いたふりをする。

あまり表情を変えない彼女は、わざとらしく顔を作る。わたしがどんな話をしても、そうなんだ、と口の端をあげるだけ。なにを話しても、なにを言っても、彼女はどこか別の場所を見ていて、それでいてゆるやかな笑顔しかくれない。それなら、とわたしは彼女に冷たい言葉をかけてみた。それでも。彼女はこうして笑った顔を作るだけだった。

何度やってもそんな調子で、もしかしたらこの子は、言葉で傷つく、ということが分からないのかもしれない、などと思いながら私も飽きずに氷点下の言葉を投げ続けた。次第にそれは形骸化し、そして今日も言ったのだ。一時間に一本しかない電車を、朝財布を忘れたばっかりに乗り過ごした話をした彼女に。ばかじゃないの。

しかし今度は、今回は――へらりと笑った目が、濁り、あ、と思ったときに涙は頬を伝い、地面に落ちていた。ごめんね、ごめんね、と繰り返す彼女にわたしは、彼女を笑わせる言葉が今も、何の意味も持たないことを知った。それから、わたしが彼女に取り返しのつかないことをしていたことも――知ったのだ。

(110122)

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生きています。

 生きています。
只今友人に依頼された脚本を書いたりしています。

「そうだ……」のほうですが、試してみたいことがあるため、方針を180度変えようかと思っております。

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やっとこさ

「そうだ……」を復活しました!
データが見つからなかったので、一からぽちぽちやっていきます×。削除前とはまた違った趣になるかもやしれません。

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わわわわわ

 うっかりブログを消してしまいまして、しばらくのあいだ「そうだ僕は、」は未開通で御座います!

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